腹が減れば食欲が湧き、疲労が溜まれば睡眠欲が襲って来る。人間の生命維持に欠かせない欲求は生きるための本能だ。だから、自ら死ぬという行動は正常な精神状態ならあり得ない。
ある学者が言っていたが、自殺をする人の8割は軽い重いの差はあれど鬱状態だとのこと。もっと正確な表現をするなら、行動を起こしたその瞬間は鬱状態であったということだろう。
大きな悩みを抱えた時、近くの誰かに話を聞いてもらうだけで心が軽くなる。これは、鬱の入り口の手前で心が晴れたり、たとえ片足を突っ込んでしまっていたとしても周囲の誰かが引き戻してくれる。そういうことなのだろう。
孤独に悶々と悩み続けていては、好転するのは難しい。悩んでいる本人がハッと気付いてリフレッシュにつながる行動がとれれば一番いいが、なかなか難しい。殻に閉じこもって周りが見えず人に話す勇気もなかなか出ないのが普通だろう。近くにいる家族や友人が声をかけてあげるだけで救われる命があると思う。
自分では鬱の自覚が無く、鬱の入り口くらいが最も危険だということだ。衝動的に命を絶ってしまう人が一人でも救われることを心から祈りたい。
