コロナ禍が原因で廃業する企業が増えている。そういうニュースを聞かない日が無いくらいだ。先日、2月いっぱいで閉店を決めた開業して数年の串焼き居酒屋にカメラが入って取材したニュースを見た。
30過ぎくらいの店主が悔しそうにインタビューに応えていた。
「近くにイベント会場があってその帰りの客もたくさん来て賑わっていました。コロナさえなければ続けられたのに、コロナが憎い。コロナが憎い。」
かたや同じく廃業を決めた柴又の料亭「川甚」の8代目店主のコメントがすごい。
「コロナ禍にあっても数年持ちこたえられる力を付けておかなかった私が悪い。そういう見通しを立てて準備して来なかったのが原因だ。コロナのせいではない。」
これには強く感銘を受けた。この「何かのせいにしない覚悟」が経営には絶対に必要な姿勢だと思う。コロナ禍のような規模ではなくても、地域ごとに災害が起きたり世界規模の不況の嵐が吹き荒れたり、会社経営には大なり小なりマイナスの風がいつ吹いて、どんな困難に直面するかそういうリスクと常に隣り合わせだ。
偉そうで恐縮だが、起業したり店を出したりして一国一城の主人になるとはそういうことだ。いちいちあのせいだこのせいだと言っていたらキリが無い。
あのせいだ、このせいだと何かのせいにはしないで潔さと矜持を常に心に携えたまま毎日を過ごして行きたい。