〜ラーメン屋店主のだらだら日記〜

岩手県北上市で、ら〜麺屋めん丸北上インター店をやっとります。創業40年❗️地域の皆様ありがとうございます😊

閉店間際の中華屋で。

37年続けてきたとある中華屋さんが、年内で閉店するとマスターから直接話を聞いた。足繁く通っているだけに残念だ。後を継ぐ人はいないのか聞いたところ、息子さんがいて以前は継ぐつもりだったらしいが、マスターが辞めろと止めたそうだ。勤め人の方が安定していて福利厚生も充実。退職金も確実で定年後も安心。商売人は先が見えない。という理由らしい。

 

40年前、マスターはもともとサラリーマンで奥様と共働きで2人で30万稼いでいたけども、マスターの親父さんの借金のせいで収入が足りずにこの店を開業したそうだ。開業したおかげで色々解決したが、今では年々儲けも少なくなって、バカらしいし、身体もそろそろキツくなってきたそうだ。

 

元気なうちに廃業して、のんびりしようということらしい。老後のためにしっかり投資信託で準備してきたそうだ。んーー、うちの親に聞かせたい。

 

後を継ぎたい人がいたとしても、とても勧められないと言う。老朽化した店を建て直す必要がある。建物と設備で3,000万は下らないだろう。それを回収しながら老後の蓄えを準備なんて、相当なハードルだ。勤め人をやっていた方がいいと言う。

 

この辺りの話は全く賛同できないが、確か現在68歳のマスターの価値観ではそういう発想になるのだろう。やり方は何通りもある。私が後継がいないか聞いたのは、長年培った調理の技術と毎日営業する為の運営のノウハウなどが勿体無いからだ。食材管理とか転用とか絶対に色々と工夫してるだろうから。そういう見えない財産がこの世から消えてしまうのは地域の損失だ。

 

初期投資やメニュー構成、価格、店舗の規模やデザイン次第では何とでもやりようがある。レシピだけ誰かに教えて後は勝手にどこでもやってみな。それでもいいんじゃない?私だったら自分の技術で誰かが飯を食えたら、それだけで充分嬉しいけどな。

ま、色々と考えさせられた、そんな昼休みだった。