〜ラーメン屋店主のだらだら日記〜

岩手県北上市で、ら〜麺屋めん丸北上インター店をやっとります。創業40年❗️地域の皆様ありがとうございます😊

卒業式

30年ほど前、運悪く荒れに荒れまくっていた中学校に入学した。3年生が騒ぎ立てて先生達の怒号虚しく静まることが無い中、なかなか入学式を始められず、とんでもないところに来ちゃったなと目の前が真っ暗になったのを思い出す。

 

そんなスタートだったから答辞の原稿を考えるとき、いろんな思いが溢れて膨大な量になってしまい削るのが大変だった。それでも原稿用紙7枚分にもなってしまい一人で少々時間を取ってしまった。ま、主役だし最後だし許してくださいと勝手に納得したのを覚えている。

 

建物も臭いも凛とした空気もあの頃のままの中学校。今日、息子の卒業式に行って来た。変わったのは生徒数が3分の2になっていることくらい。

 

ではなかった。熱いハートと高い能力を持ち合わせた校長の演出。いや、伝える手法としてずいぶん工夫していた。「あ、式といえども随分柔軟にやってオッケーなんだなと変化を感じた。」堅苦しい公式な式辞はプログラムに盛り込んで、原稿無しで話し始めた。

 

前回6クラスをクラス毎に立たせ担任の方を向かせる。校長が担任の頑張りをコメントし学級委員長に一言感謝の気持ちを述べさせる。生徒達はリハーサル無しなので驚いただろう。しかし、戸惑うことなく対応していた。きちんとアドリブで対応する能力が備わっていることが折込済みだったのだろう。これを行う前には担任だけでなく副担任や学年主任の苦労を話していた。

 

全クラスが終わると、今度は親の番だ。親は君達のためにどれほど大変な思いをして日々生活して来たのか、どれほど愛情を注いで来たのかを話すと、会場の保護者は多くがハンカチを取り出した。

 

「感謝」と一口に言うのは簡単だ。君達のために誰がどんな苦労をして来たかを具体的に話し、お世話になったことを思い出させ理解させ、なぜ感謝しなければならないかを分かりやすく話してくれた。

 

最後に「君たちは私の宝だ。君たちを誇りに思う。」とまっすぐに力強く言い切り式辞を終えた。こんな心のこもった熱い式辞は初めてだ。教育者として最後になんとしても生徒達に伝えたいことを、効果的に終始分かりやすく話してくれた。

 

髙橋邦尚校長の指揮の元で先生方が尽力していたからこそ、先生方の一体感や生徒への思いが強かったのだと確信した。息子はいい先生方に恵まれたなと嬉しくなった。

 

慣れ親しんだ校歌を歌いながら、あの頃の自分の卒業式の風景を一つまた一つと思い出し、卒業という別れの寂しさも鮮明に思い出し、息子の気持ちに寄り添うことができた1日となった。最後までやり切った息子、先生方、塾の先生、そして妻に感謝。