自分でも不思議だが、ITテクノロジーとかデジタルツールなどの活用にラーメン屋店主としてはあり得ないほど前向きだ。
新しい機械や道具を店舗に導入するのは恐ろしく面倒なことで、ましてや未知の技術であれば普通は避けようとする。必要に迫られれば回避できないものだが、そうなって初めて重い腰が動くパターンが多いと思う。
キャッシュレスの導入を遅ればせながら始めた店舗が多く見受けられるが、前述した典型的な例だろう。
私は基本的に何事も腰が重く動きが鈍い。妻にいつも叱られている。しかし、ことテクノロジー系に関してはだけは別だ。なぜか分からないがワクワクする。
思い起こせば初めてワープロを触ったのは高校生の時。平仮名を打って漢字に変換する便利さに驚愕した。電気屋さんにワープロやパソコンを見に行った記憶がある。購入までは至らなかった。でも興味はずっとあったようで、大学、社会人とほとんど業務では使いもしないのにパソコンを持っていた。
自宅アパートで初めてインターネットに繋がった時の感動は今でも鮮明に覚えている。iモードが生まれ携帯電話でネットの世界に入った時もワクワクが止まらなかった。
文系だしプログラミングのプの字も知らないが、昔から興味だけはあったことを覚えている。興味がある。好きだ。ということは思わぬアドバンテージになることがある。
食べることが好き。ラーメンが好き。食べ歩きが好き。外食に興味がある。飲食店経営者は当然持ち合わせている要素だろう。プラスアルファ何か好き。この何か好きというものが商売に活かせるものであれば武器になる。
ハンディとポスレジを使えば効率が上がり細かいデータが取れる。何日の何時頃どのくらい混んで、何がどのくらい売れたのかが詳細に分かる。セルフオーダーの利用が広がれば人件費を削減できる。
今までは大手外食企業しか使えなかったシステムが、当店のような零細店舗でも導入できる時代になった。新しい世界が広がる。ワクワクが止まらない。導入を決めた今日は私の中で記念日なのだ。