「冷やし中華」は今年から提供をやめることにした。40年前に両親が創業して以来、看板は変わっても（どさん子ラーメン→ラーメンとん太→めん丸）冷やし中華は毎年夏の定番として登場して来た。
お年を召した客層の間では、密かに評判だったらしい当店の冷やし中華。毎年楽しみにしているお客様のことを考えれば、これをやめるというのはなかなか難しい決断だった。
やめる理由はいくつかある。そもそも毎年暑くなり始めの梅雨明け頃の時期、売上が下がってしまうので少しでも来店を促す為に提供してきた。しかし、ここ数年はそれほど来客数が下がらなくなった。
次にデメリットが多いこと。一食、一食、色鮮やかな映える盛り付けをしなければならない為、提供に時間がかかる。冷たい麺はただでさえ通常の麺より長く茹でて冷水で締める。さらに盛り付けの時間が加わると厨房の流れが止まる。
冷やし中華を注文したお客様だけが、少し長めに待つだけならそれほど問題は無い。大きな問題は、冷やし中華に人がとられてしまい他のオーダー全てに影響が出て、同じタイミングで待っている全てテーブルで商品の提供が遅れてしまうことだ。
ラーメン店の提供時間は、店によって千差万別。当店は満席の時以外は割と早く出て来る方だと思う。常連様はそれも考慮して来店していると考えている。それなのに冷やし中華が絡むことでリズムが崩れ、冷やし中華を注文したわけでもないのに、いつもより待たされてしまう事になる。これは実は毎年心の中で引っかかっていた。
他のマイナス要素として、当店の場合タレも手作り、錦糸卵まで手作り、具材のカットも人的コストがけっこうかかる。挙句には今年のようになかなか暑くならないと、食材ロスが大幅に増える。などなどあり、総合的に考えた結果とやめるべき。という結論に至った。
楽しみにされていたお客様にとっては申し訳ないと思うが、より多くのお客様の満足の方を優先させてもらうことにした。ま、当然と言えば当然の判断なのだが.....。長くなって申し訳がこのように色々大変なわけ。だから、楽しみにしていた方、怒っちゃやーよ。
