多い時は1日250杯提供する一つ一つのラーメンを何を思いながら手を動かすか。それに尽きる。
20代後半の頃は正直何も考えていなかった。いや、言い訳をあえて言うと、他に考えたり悩むことがあり過ぎて一つ一つのラーメン、一回一回の工程に思いを込める余裕など無かった。そして、これでいいとさえ思っていた。レシピ通り作ればいいんでしょ。みたいな。
今の私は例をあげると、この調味料はこういう役割があるから多めに入れてしまうとこうなる。少ないとこうなる。と想像しながら手を動かしている。そういう意識があると、ブレがあった時に瞬時に対応できる。
この具材は好き嫌いが分かれるから、みんなが多けりゃ嬉しいってもんじゃない。逆にこの具材はかなりの確率で好きな人が多い。多少多めに載せたら喜ぶはず。公平性は大事だが今、在庫が多いしヘビー常連様だから載せちゃえ。とか。
ほんの一例だがこんなことを考えながら調理している。もちろん、混み合って追われている時など余裕が無い時もあるが、平時でできていないことは、混雑時にできるわけがない。
料理は何を思いながら作るかによって、例え忠実にレシピに従ったとしても、出来上がりは大きく変わる。挨拶や会話で発する言葉に感情がこもっているかどうかで、相手へどう伝わるかが大きく変わるのと同じだと思う。