飲食店にとって商品の味は確かに重要だが、好みが千差万別な為、全てのお客様にドンピシャな味にすることはできない。そこは、「うちはこれで行きます!」みたいなブレないものがあればそれでいいと思う。
結論から言ってしまうが、長きに渡ってお店を続ける為に必要なことは、実直さや誠実さを毎日当たり前のように一人一人のお客様に表現することに尽きると思う。
飲食店経営の現場は業態にもよるが、毎月季節メニューが入れ替わるわけではない。特にラーメン屋の場合、夏の冷たい麺以外はほぼ同じメニュー。365日同じ仕込みと同じ調理の繰り返しだ。
一見楽そうだな。と思うかも知れないが、毎日同じ工程というのは茹で釜のカエルのように少しずつ何かがズレていることに気づきにくい。毎日の微妙なズレが1ヶ月、半年と続くと大きなズレとなってしまう。これは調理だけではない。店長始め、従業員全員の接客態度や清掃でも同じことが言える。
これは非常に怖い。毎日見ているとそれが当たり前の光景に感じて違和感を素通りしてしまいがちだ。常に客観的にお客様目線で一歩引いて店内や商品や従業員の動きを見ていなければならない。
1年365日。お客様への感謝の気持ちを新鮮さを失わずに商品や接客に込められるか。それを従業員一人一人に落とし込めるか。そこが飲食店経営にとって最も必要な要素だと強く思う。
ではどうすれば、この姿勢を維持できるか。それはまた次回!